夏の浅間山。
2014年7月29日。
浅間山に研修登山に行ってきました(みなかみ山岳ガイド協会)。

浅間方面もまれにガイド依頼が来ることもあるだろうということで、研修に行くことに。
車坂から登ったことは何度かあるのですが、群馬県側からはあまり行くことがない天狗温泉からの登山口へ。

天狗温泉浅間山荘。
あの有名な浅間山荘事件のとは別です。
そっちの浅間山荘は群馬側で、こちらは長野県。

標高1400メートルからのアクセスなので最初は雰囲気の良い林道。
2000メートル近くから始まる車坂峠口に比べると、だいぶ穏やかですね。
脇を流れてる川が赤い。下山後に天狗温泉に入りましたが、この川から源泉を取ってるらしく同じく真っ赤でした。

キツリフネ。
この辺りは上越の山で見るお花と一緒ですね。

ウツボグサ。

シモツケ。
他にはシモツケソウも有り、地元谷川岳近辺の植生と結構似てるなと思いながら歩く。
(当たり前ですがチシオシモツケはありませんでした)
植生が共通してるので安心したのも束の間、「なんだろこれ?」というお花が。
キジムシロに近いけど明らかに違うし、ミツバツチグリでもないし・・・と頭を悩ませて後で調べることに。

ミツモトソウ(バラ科キジムシロ属)でした。

この花はまったく分からず。
マンネングサ属の仲間っぽい気もしますが不明。

アキノタムラソウ。
私では、見た目でナツノタムラソウと区別がつけられませんが生えている山域でアキノタムラソウだろうと判断。

これも普段歩いてる上越の山では見ない為に現場では分からず。
帰ってから調べてサワギクと判明。

一ノ鳥居。
信仰の山なので鳥居が何箇所も。
谷川岳だと浅間(せんげん)神社ですが、ここは正真正銘の浅間(あさま)神社。

ミヤマカラマツ。
やっと見慣れた花が出てきてほっとします。

ソバナ。

ホタルブクロ。
普段歩くフィールドで見かけるのはヤマホタルブクロなんですが、これは基本種のホタルブクロだろうか。

不動の滝。
この名前の滝って全国いたるところにありますよね。

「なんだこの花?また見たこと無い花か」と思ってよく見たらオオバギボウシのツボミでした。

ウツボグサの間に見たこと無い花が。
調べてみたらカワラマツバ(アカネ科)。

ニッコウキスゲがまだ綺麗な状態。ツボミも残ってるし。

ナデシコの花。
カワラナデシコなのかタカネナデシコなのか写真だけでは判別できず。
他の地域での種類の同定って難しいです。

アキノタムラソウ。

これも所見の花。
シャジクソウだそうです。
天狗温泉に貼ってあるお花の写真でチェックしました。

これも所見でしたが、何の花かはすぐに分かりました。
ヤマオダマキには違いありません。
天狗温泉にあった資料でキバナノヤマダマキと分かりました。
ただ、単純に別種とせずにヤマオダマキの黄色種として扱うことが多いみたいです。

カモシカ平と看板に書かれた場所に到着。
チダケサシの花が咲く草原の奥に見えてるのはトーミの頭辺りだろうか。

ハクサンオミナエシ。

硫黄の匂いが漂うガレ場。
「火山の山に来た」という雰囲気ぷんぷんです。

イブキトラノオ。

クルマユリ。

火山館。
水場とおトイレ有り。

シュロソウ。

湯の平。マルバダケブキが沢山咲いてました。
他には咲きかけのノアザミとまだ咲いていないノハラアザミ(アザミの区別は火山館の人に教わりました)。
尾瀬ではノアザミが散る頃にやっとマルバダケブキがツボミくらいになるんですが、浅間だと逆なんですね。山による違いが面白いです。

二つの外輪山の間の賽の河原。
ここ十数年だか二十年ほどで、カラマツ林がどんどん伸びてきた為にあまり賽の河原っぽくなくなったそうです。
火山館の管理人さんが赴任したころは人の背丈よりも低かったカラマツ林が今では3~5mほどに。
ちょっと前はその周辺の笹すらなかったそうです。
環境の変化というか、火山が落ち着いて環境が整ったから植物が進出を始めたのではないかとの話でした。

タカネニガナ?クモマニガナ?と迷ったんですが。
葉の基部を撮り損ねたので判別が難しい。一輪だけ花弁が11枚あったのでクモマニガナということにしておきましょう。

いよいよ内側の外輪山に上がってきました。
噴火に備えたシェルターがあります。
火山の縁だけあって、生えてる植物は殆どなく、その中でも唯一咲き誇っているオンタデ。
タデ科って強いですね。

外側の外輪山。黒斑山はガスに覆われてきました。

登山可能な範囲での最高峰、前掛山へと向かう稜線。

前掛山。

火山活動の為に、浅間山頂には立ち入れないので次点の前掛山にに浅間山と大きくかかれてます。
今、何かしらの条件付で本山への立ち入りを認めるかどうかの議論がなされてると新聞で読みました。
検討されているだけで実際に導入されるか分かりませんが、経緯を見守りましょう。